19年後の忘れ物

敢えて後。


今からちょうど19年前の1998年7月7日、グリーンスタジアム神戸でのロッテ対オリックス戦。
ロッテファンはもちろん、プロ野球ファンにも印象深い日。
所謂「七夕の悲劇」というやつ。


七夕の悲劇ってなんじゃ?という人に説明しとくと、当時ロッテは春先は首位に立つなど好調だったものの、6月頃から連敗が止まらなくなり、当時の連敗記録である16連敗に並んでしまっていた。
この1998年7月7日が新記録の17連敗がかかった日であり、普段はテレビ中継すらされないロッテ戦が放送されるなど結構世間が注目してた時でもあったんだね。
ロッテ先発はエースのジョニーこと黒木知宏で、9回表を終わって3-1でロッテがリード。
9回裏、ランナーを一塁に置きながらも2アウト、2ストライク。
あとひとつのアウトで勝てるという時に、黒木の投げた球はプリアムにレフトスタンドへ運ばれ、土壇場で同点にされてしまった。
マウンドにしゃがみこみ完全に心の折れてしまったこの写真は、恐らく最も有名な黒木知宏の姿だと思う。

その後延長に入りサヨナラ負け。17連敗の新記録を作り翌日も負けたために、現在まで18連敗という記録を持ち続けている。


とまぁ、ロッテファンには完全にトラウマな出来事なんですね。
当時ロッテファンになったばかりの俺もこれはかなり印象に残っている。
そんな七夕の悲劇から19年後の今日、あの日以来となる神戸でのオリックス戦が開催された。
試合は現役で唯一あの日を知る福浦が決勝の犠牲フライを打ち、3-1で勝利。
その福浦がヒーローインタビューとかもう出来すぎでしょ。


驚くのが、19年前の試合と今日の試合に共通点が多すぎるということ。
・7月7日、神戸でのオリックス
・福浦が犠牲フライを打つ
・9回表までのスコアが3-1
・9回裏2アウトランナー一塁
・前日(7月6日)までのチーム勝利数が23
ちょっと漫画みたいじゃない?w
ここまで共通点多いってどんな確率なんだ…


なんだかロッテファンの脳裏に焼き付いていたままの黒木のあの姿を、福浦が払ってくれたような気がした。
当時3番ファーストを守っていた若手選手が、ベテランの代打の切り札となってトラウマを消してくれた。
これは福浦にしか出来ない仕事だった。
例えば決勝点を上げたのが井口でも大地でも角中でも駄目なんだよね。
やっぱりあの日を知ってる福浦が決めたからこそ意味があると思う。
本来得るはずだった勝利を19年かかってようやく取り戻せました。



そして、こんなこと言ってる裏でヤクルトが新たな七夕の悲劇を産み出していたのはまた別の話…